
こんにちは、皮膚科専門医のあーりんです🌸
今回はアトピーのお話をしていきます!
アトピー性皮膚炎は、慢性的なかゆみや湿疹を伴う皮膚の病気で、子どもから大人まで多くの人が悩まされています。
アトピーをもつ子のママは、本当に心配ですよね。
保湿も薬も頑張っているのに、なかなか良くならない…
夜中のかゆみで子どもが起きちゃって、見ていてつらい…
そんな不安な毎日を過ごすママも多いと思います。
今回は、特にそんなかたに向けて、最新の医学的な知見と、日常でできるやさしい工夫を、私たち医師夫婦ができるだけわかりやすくお届けしますね☺️
- アトピー性皮膚炎の基礎知識と標準治療
- 腸内環境とアトピーの関係(腸–皮膚相関)
- プロバイオティクスの治療効果の可能性と限界
- 幼児にもできる腸活の工夫
アトピー性皮膚炎に関する基礎知識


アトピー性皮膚炎とは?
アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性炎症性皮膚疾患です[1]。
悪化因子:食物・ダニ・汗・ストレス・環境など。
発症年齢:大半が乳幼児期に発症するとされています。
病態:皮膚バリア機能の低下+Th2優位の免疫反応によって炎症が持続。
アトピー性皮膚炎の標準治療
日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」[1] によると、治療の基本は以下のとおりです。
急性期〜慢性期
- スキンケア(保湿):入浴後すぐの保湿が必須。
- 外用薬
- ステロイド:炎症の強い部位に使用。
- タクロリムス軟膏:顔や首などにも適応。(日本では2歳未満は未承認)
- 内服薬
- 抗ヒスタミン薬:かゆみ緩和の補助に使用。
重症例
- 光線療法
- シクロスポリン
- JAK阻害薬(例:ウパダシチニブ)
- 生物学的製剤(例:デュピルマブ)
→ 「保湿+外用抗炎症薬」が土台であり、重症度に応じて上記を段階的に追加していきます。
これらが基本ですが、最近はアトピーに腸との関連があることがわかってきており、治療に結びつく可能性が出てきました。
腸内環境とアトピーの関係|腸-皮膚相関


腸–皮膚相関とは?
腸には数十兆〜100兆個以上の腸内細菌が存在し、免疫の調整役を果たしています。
アトピー性皮膚炎の患者では腸内に、一般的に“善玉菌”といわれるBifidobacterium(ビフィズス菌)やAkkermansia が少なく、 “悪玉菌”といわれるClostridiumやEscherichia が多いとの報告があります[2]。
これは一例ですが、こういった腸内環境の乱れが免疫バランス悪化を助長し、皮膚の炎症を悪化させる一因と考えられています。
「お腹の不調が肌に出る」——このつながりは腸–皮膚相関(gut–skin axis) として近年注目されています。


プロバイオティクスはアトピーに効果がある?


治療効果については皮膚科学会のガイドライン[1]では、
プロバイオティクスの一部とその組み合わせによってはアトピー性皮膚炎の治療効果があることは確かだが,現時点では全ての患者に一律に特定のプロバイオティクスやプレバイオティクスを推奨する段階にはなく,効果の高い株や年齢による効果の差などについて,さらなる研究が必要と思われる.
とされています。
また予防効果については、妊婦や乳児に対する“発症予防目的”での使用は推奨されていません。
まとめると、プロバイオティクスは
「万人に効くわけではないが、効く可能性はある。ただし予防目的での使用はNG」 といえます。
試す際は主治医に相談を☘️
幼児にもできる腸活
お子さんでも日常で取り入れやすい腸活をいくつかご紹介します🌸
体調にあわせて、少しずつ安全に。無理はしないようにしましょう!
- ヨーグルト:効果は量ではなく、菌数(CFU)や菌株に依存します。果物やきな粉を混ぜると食べやすいですよ!砂糖なしが理想ですが、苦手なら無理せず♪
- 野菜やお芋:かぼちゃ・にんじん・さつまいもをやわらかく煮て食べやすく。
- オリゴ糖・水溶性食物繊維:お腹の張りに注意しながら少量から。
- 子ども用乳酸菌サプリ:安全性の確認できたものを選び、対象年齢・用量を守りましょう。医師に相談できると安心です。
- 生活リズム:朝は日光を浴び、夜は十分な睡眠を。
- 普段の抗生物質の使用は最小限にする
これについては、内科医の夫「パパ先生」からコメントをもらいましょう🧑⚕️↓
パパ先生からひとこと



こんにちは。消化器内科の「パパ先生」です。
お子さんがご病気された際、心配な気持ちはよくわかりますが、必要のない場面で抗生物質を使ってしまうと、腸内フローラが乱れてしまいますし、アレルギーの原因にもなることがあります。
抗生物質は、細菌による感染症には効果的ですが、ウイルスや真菌(カビ)には効きません。
感染症の疑いがある場合に抗生物質の服用が必要かどうかは、医師とよく相談したうえで、必要最小限にとどめることが大切ですね。
まとめ


- アトピー性皮膚炎は、皮膚バリア機能低下+免疫反応が主な原因。
- 標準治療は 保湿+外用抗炎症薬 を基本に、重症度で光線療法・JAK阻害薬・生物学的製剤などを追加。
- 腸内環境の乱れが症状を悪化させる可能性があり、腸–皮膚相関が注目されている。
- プロバイオティクスは 一律推奨はできないが、補助的に期待できる。
- 幼児の腸活は 食品・生活リズム中心に、少しずつ安全に。
アトピー治療は「基本治療+生活の工夫」の合わせ技✨
ママとお子さんのペースで、無理なく取り入れていきましょう🌸
参考文献
- 日本皮膚科学会. アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024 →全文を読む
2. De Pessemier B, et al. Gut–Skin Axis: Current Knowledge of the Interrelationship between Microbial Dysbiosis and Skin Conditions. Microorganisms. 2021. PMID: 33670115 → PubMedで見る
本記事は一般的な医学的情報の提供を目的としたものであり、特定の症状や疾患に対する診断・治療を保証するものではありません。
本記事の内容は最新の研究やガイドラインを参考にしていますが、すべての方に同じ効果が得られるわけではありません。
症状が続く場合や治療を希望される場合は、必ず皮膚科などの医療機関を受診し、専門医にご相談ください。
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